おにかにと

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パレートの法則とロジカルさんの思い出

今日、こんなニュースを見た。

働かない働きアリ:集団存続に必要 働きアリだけは滅びる - 毎日新聞

 

働き蟻の内2割がサボってるかと思われてたけど、そんな事は無かった話。

働かない蟻がいる訳ではなくて、疲れたら交代するシフト制でコロニーを存続しているそうだ。
 
 
働き蟻の中に働かない蟻がいる話は思い出深くて、それは以前勤めていた会社に新卒入社した10年以上前にさかのぼる。その時同じフロアで働いていた先輩に教えてもらった話が忘れられない。
 
 
先輩に教えてもらった話はこうだった。
 
働き蟻は皆まじめに働いているかと思われているが、そうではない。群れに貢献する働き蟻が2割、貢献もしないが悪影響も与えない蟻が6割、群れに悪影響を与える働かない蟻が残りの2割。
それで群れは運営されている。
 
その群れから、働かない蟻だけを選り分けてみる。すると、その中から働く蟻、普通の蟻、働かない蟻と2:6:2に分かれる。働く蟻を分けても同じ結果になる。これらを人間に置き換えると分かる事がある。何か?
 
働かない蟻も、環境を変えたら働き蟻に変わる事が出来る。だから組織に貢献する人物になるか、悪影響を与える人物になるかは環境によると言える。元々人間に備わっている能力の差は小さい。意識を変えて行動に移せば、環境は変わる。誰でも上位2割に慣れる事が出来る。
 
これをパレートの法則と言う。
 
この話を聞いた時、とても新鮮だった。
正直言うと、2割の働かない蟻の話は聞いた事のある話だった。こち亀でも取り上げてた気がする。ただ組織はそんなもんですよ、働かない奴は必ず出てきますよ、って感じの組織運営に関しての話が多かったから、先輩の解釈が面白くて新鮮だった。
 
 
先輩は月にアマゾンで4〜5万円は本を買う様な本好きで、パレートの法則の他にも色々教えてくれた。自己啓発が好きな人で、7つの習慣もこの人のすすめで読んだし、よく本のお下がりをくれた。
 
 
頭の回転の早い人で、論理的に話を進める姿からロジカルってあだ名で呼ばれていた。
ただ、人間関係をリセットしてしまう癖があるらしく、これまでにも結婚直前で破談にしたりとか、趣味でやっていた写真のホームページも、アクセスが数万PVになったら閉鎖したりする様な人だった。よく自分の事を欠陥人間と言っていた。わたしはいつも、そんな事無いですよ、と答えていた。
 
 
ロジカルさんは、それから数ヶ月後に会社も辞めた。
後輩のやってる会社の共同代表になったらしいと人づてに聞いた。その会社も数年後には出て行ったとまで聞いて、ロジカルさんの話は聞かなくなった。
 
 
ロジカルさんは頭が良過ぎたんだろうな、と思う。
その頭の回転の早さで先を見通し過ぎた挙げ句、色々と考え過ぎて身動きが取れなくなって、何にも魅力を感じなくなってリセットしてしまったのかもしれない、と思ったりする。違うよと言われると思うけど。
 
 
ロジカルさんのパレートの法則の話は、今でもたまに思い出す。大抵はへこたれている時だけど、希望のある話だから好きなんだろうなと思う。単純で分かりやすいから良いのだと思う。つらい時に良く効く。
 
 
働かない蟻の話で思い出した、ロジカルさんの話でした。
 
 
おわり。